先日こんなツイートが話題になりました。
この事案から酷いタクシー運転手もいたもんだと笑い話ですまされない、われわれタクシー乗務員がやらなければいけない問題点もみえてきます。
それは「経路確認」の重要性です。
こんにちは都内でタクシー歴12年のmasakiです。
今回の運転手さんは所どころで突っ込みどころ満載なのですが、初動で「経路確認」をしておらずお客様との意思疎通が取れていませんでした。
今回はこの話題となったツイートとのちに岡田さんが公開したブログの概要から「経路確認」の重要性を深堀していきましょう。
今回のトラブルの概要
- 俳優兼パーソナリティーの岡田眞善さんがフジテレビの「グッディー」に出演するために局から依頼された地元のタクシーに乗車
- 「フジテレビまで、安全にご案内します」と運転手さん
- いつもは中原街道をまっすぐ行って荏原から高速に乗りフジテレビまで向かうのだが、途中の環七を運転手さんは左折
- 岡田さんは道が混雑しているから迂回して違う高速の入り口から乗るのだと理解する
- しかし岡田さんの想像するルートを走行しない運転手さん
- ナビには右折の支持が出ているが直進(確かに環七はアンダーパスや立体交差になっている個所も多いので側道に出てから右左折する必要があるため、地理不案内の方には難易度高め)
- リルートを繰り返すナビを尻目にやっと右折できる交差点に差し掛かる(多分松原橋の交差点)その後ナビの指示通り進行すると目的地の同名の世田谷のフジテレビと言う会社に到着
- どうやら運転手さんはナビの目的地に同名の世田谷のフジテレビと入力してしまったようだ
- 岡田さんは3号線に入りなおして環状線で行きましょうと提案。再度運転手さんはナビを入力しなおす。
- 安心した岡田さんは車内で台本のチェック。ふと景色を見ると進行方向と逆の下り線を進行。そして東名高速を走っている。どうやら運転手さんはまた違う目的地をナビに入力してしまった模様。
- 流石に業を煮やした岡田さん高速を降りてもらい、上り車線に入り直し東名青葉から接続線を使い湾岸線経由でやっとフジテレビに到着。
- 結果到着予定時刻より90分遅れ、料金はいつもの数倍以上の¥30,460にのぼる。
- 運転手さんはその料金を局の車両部に請求した模様。
- お客様の思っている目的地の相違。
- あくまでもナビ通りに進行しお客様の意見を聞き入れない。(しかし所どころで道間違えあり、また明確な指示があったにも関わらず指示にも従えてない)
- いつもの料金の何倍も高くなった料金を請求。
概要から読み取れることは、かたくなに運転手さんは自分の行動を正しいと思っていることです。
もっとも途中で明確な指示があったにも関わらず従えてないスキルの欠如は否めませんが。
お客様との目的地の意思疎通が取れていないがためにこのような事態に発展してしまいましたが、その責任は明らかに運転手さん側にあります。
お客様がご乗車されたときにお客様の思っている目的地までの意思疎通を確定する責任はわれわれ乗務員側にあるからです。
原因はご乗車されたときに経路確認を行っていないことにあります。
経路確認をしっかり行っていれば、今回の岡田さんも「それ違うでしょ」と言え、事前にトラブルを回避できた案件です。
フジテレビと言えば、99%のかたがお台場のフジテレビを思い浮かべ岡田さんもプロのタクシー運転手なんだからお台場のフジテレビに向かってくれるだろうと思うのは当たり前です。
ましていつもご自宅からフジテレビまでご利用されているタクシー会社への依頼なのでなおさらです。
特殊な事例ではありますが「酷い運転手だな」と笑い話ですませないために、お客様との意思疎通を確定させる経路確認の重要性を再確認してみましょう。
経路確認の重要性
経路確認は契約で言えばお客様に捺印してもらい契約を確定するようなものです。
お客様との意思疎通を明確にします。
お客様に経路を確認していただくことでその後のトラブルを未然に防げるからです。
料金や時間に関するお客様のトラブルはよくあります。
「遠回りされた」「いつもより料金が高い」そんなトラブルを未然にお客様に経路確認しておくことで防げるのです。
また今回のようなお客様との目的地の意思疎通が取れてない時にも、経路確認することで未然にトラブルは防げます。
今回の事例は笑い話になるような特殊な事例ですが、似たような地名を聞き間違えたり同名の建物を間違えたりする恐れはだれしも起こる可能性があります。
私も過去に東京タワーと高層マンションの東京タワーズを間違えてしまった経験があります。
また母音の似た蒲田と田端を聞き間違えてしまった経験もあります。
そんな時も未然に経路確認をしていたので、のちのちのトラブルを未然に防げました。
目的地までまっすぐのような当たり前の経路ではどうでしょう。
お客様にいちいち確認するのがはばかれる気持ちはわかりますが、「まっすぐで良いですね」と言うような形で念を押しておきましょう。
お客様をお乗せして目的地を告げられたら、お客様との意思疎通を確定する意味で経路確認は非常に重要です。
どんなふうに経路確認をすればいいの?
経路確認の基本はお客様に指定していただくことです。
お金を頂いている以上お客様の希望どおりの経路で進行することがわれわれの義務だからです。
どこのタクシー会社でも新人研修の際に「ご指定のコースはございますか?」とお客様に尋ねることを指導されると思います。
キャリアが少し長くなると「当たり前のコースだからわざわざ聞かないよ」とおざなりになりがちです。
自分が良かれと思って選択したコースが、お客様のなかでは不満と思うケースもある事を肝に銘じておくべきです。
では運転手さんに任せるといわれた場合はどうしたらよいのでしょう。
もちろんお客様が満足されるであろう最適な経路を選択することが、プロドライバーとしての使命です。
そんな任せるといわれたケースでも、そのまま進行せずに自分の選択した経路の概要をお客様に告げることが重要です。
すらすらと経路を説明できれば「この運転手さんできるな」とお客様の安心感につながります。
また任せると言っておきながらあとで不満をあらわにするお客様もなかにはいるからです。
タクシーに乗り慣れているかた、あまり普段タクシーを利用されないかた、お乗せするお客様は様々です。
様々なお客様の個々のニーズに答えるのがわれわれプロドライバーの使命です。
まとめ
今回は俳優兼ラジオパーソナリティーの岡田さんが遭遇したタクシートラブルを深堀してみました。
タクシー乗務員としてのスキル不足も否めない今回の運転手さんでしたが、お客様との意思疎通が取れていないという問題点が明るみとなりました。
お客様との意思疎通を明確にするには経路の確認が必須です。
経路確認することで後々のトラブルも防げます。
お客様の意向を叶えてこそプロのドライバーです。
経路確認するときの注意点はまずはお客様の意向を伺うことです。
もしも「運転手さんにまかせる」と言われた時こそ、プロの腕の見せ所です。
後でお客様に喜ばれたときなどはタクシー乗務員冥利に尽きます。
しかしそんなときでも「経路確認」は必要です。
プロの料理人がお客様にコース料理の内容を説明するようにお客様が安心感を覚え、のちのちのトラブル防止策にもなります。
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