- これからタクシー運転手になってみたい興味がある
- タクシー運転手の給料の仕組みを知りたい
- タクシー運転手になってもしっかり稼げるか不安
このようなことを思っている方におすすめの記事になっています。
タクシー会社の多くが採用している給料体系は歩合制。
これから、タクシー業界に転職してみたい、興味があるという方も毎月決まった給料を安定的に得れるのか不安になってくると思います。
そこで、この記事では「タクシー運転手 の給料の仕組」について、現役のタクシー運転手が詳しく解説します。
給料だけでなく、歩合制の仕組みやボーナスの実態など、タクシー運転手として働く上で気になるポイントを解説していきますので、タクシー運転手に興味を持っている方はぜひ参考にしてみてくださいね。
私の、タクシーの業務エリアは東京23区武蔵野・三鷹エリア。35歳でタクシー業界に転職する前は、20代はパチンコ業界に10年、30歳を超えてからは夜の水商売や、ワンボックス車での深夜の集荷業務を派遣社員で行っていました
タクシー運転手の給料について|ほとんどの会社で採用されているのは歩合制
タクシー運転手の給料は、歩合制によって支給される会社がほとんどです。
1か月の給料は、月の売り上げに歩率を掛けることでもとめられます。
具体的には、実際の売り上げ(お客さんからいただいた運賃)から消費税を控除した金額に歩率を掛けたものが給料になります。
地方のタクシー会社などでごく一部固定給+歩合制を取り入れている会社もあります。
そのような会社でも、固定部分は保証されますが上澄み部分の歩合については「売り上げを多く上げた方は給料が多く、売り上げが低い方は給料が下がる」といった基本部分には変わりがありません。
歩合制と聞くと実力社会の響きがあり、これからタクシー運転手を志したい方は不安になってしまうのではないでしょうか?
しかし、地域による「稼げる・稼げない」はありますが、個人ごとの給料はそんなにぶれなくなってくるものです。
毎月の給料が20万円になったり50万円になったり乱高下することはそうそうありません。
さぼったら給料が減ってしまうという反面、がんばったらがんばっただけ稼げて以外と安定性があるのが、タクシー運転手の給料です。
ボーナスはある?タクシー運転手の歩合制の種類
タクシー運転手の歩合制の仕組は、以下の3つに分類されます。
- A型賃金(固定給+歩合)
- B型賃金(完全歩合制)
- AB型賃金(歩合制+ボーナス有)
タクシー運転手のボーナスについては、A型AB型の賃金体系で支給されます。
ただし、AB型のボーナスはみなさんが頭に描いている一般の会社のボーナスとは違います。
AB型のボーナスは、毎月決まった歩率をプールして後から支給されるもの。
つまり、完全歩合制のB型でも、AB型でも年間の給料自体に変わりありません。
例)月60万円の売り上げを上げるドライバー(歩率60%)で5%の積み立てをするとき、年3回ボーナスを受け取れるとしたら…
AB型の場合、全体の歩率が60%でボーナスの積み立てが5%なので、実質的な歩率は55%になります。 毎月60万円の売り上げのドライバーの収入は次のようになります。
毎月の給料:60万円 × 55% = 33万円
年間の給料:33万円 × 12ヶ月 = 396万円
ボーナス:60万円 × 5% × 4か月分 = 12万円
年間の合計収入:396万円 + 12万円 × 3回 = 432万円
つまり完全歩合制のB型賃金で働いている方と年間の合計収入は一緒になります。
A型賃金(固定給+歩合)
タクシー運転手の給料体系であるA型賃金は、基本給と歩合(ボーナスあり)給を組み合わせた方式です。この方式では、基本給が月額給与のうちの一定割合を占めており、その他の部分が歩合給となっています。
現在は地方などのごく一部の会社に採用されているにとどまっています。
A型賃金のメリット
- 固定給の割合が高く、安定感がある
- 営業売上が少なくても給料の変動幅が小さい
- 勤続年数や評価に応じて固定給が上がる場合があるため、給料を伸ばすことが可能
- 未経験者でも安心して入りやすい
A型賃金のデメリット
- 歩合給の割合が少なく、営業売上が高いドライバーと低いドライバーで支給される給料の差が小さい
- 営業売上が高いドライバーでも、他の賃金体系と比較して支給される給料が少ない場合がある
B型賃金(完全歩合制)
B型賃金は完全歩合制で、固定給はなく営業収入に対する一定の歩合給が支払われます。営業収入がゼロの場合は賃金がゼロになるため、給料が不安定になる可能性がある反面、営業収入が高いドライバーにとっては自分の取り分が大きく上がる可能性があります。また、タクシー会社にとっては売上に応じて給料を支払うことになるため、経営リスクが小さいという特徴があります。
タクシー運転手の給料体系でもっともポピュラーなものになります。
B型賃金のメリット
- 営業収入が多いほど、自分の給料に反映される完全成功報酬型の賃金体系であるため、経験豊富で、常に高い水準の営業収入をあげることが可能なタクシードライバーにとって、給料を稼ぎやすい体系と言える。
- タクシー会社にとっても売上に準じて給料を支払うため、経営リスクが小さい賃金体系である。
B型賃金のデメリット
- 営業収入に応じて給料が変動しやすく、営業収入が良くない場合は、他の体系と比べて給料が大きく下がってしまう恐れがある。
- 最低賃金が法令で定められているため、支給額が完全に0ということはないものの、売り上げが低いとA型に比べ給与が少なくなる可能性がある。
AB型賃金(歩合制+ボーナス有)
タクシー運転手の賃金体系AB型は、固定給と歩合給、賞与を組み合わせた給与体系です。具体的には、固定給と営業売上に一定の歩合率をかけた歩合給が支給され、さらに営業売上の一定割合が賞与として積み立てられます。
B型賃金についでポピュラーな賃金体系で、会社によってはB型AB型をご選択できる会社もあります。
AB型賃金のメリット
- 賞与が毎月の給与から一定割合で積み立てられ、年に2〜3回支払われるため、将来のマネープランが立てやすい。
- 社会保険料負担が減るため、タクシー会社にとってもメリットがある。
AB型賃金のデメリット
- 賞与が毎月の給与から積み立てられるため、即時的な収入が得られない。
- 賞与が歩合の一部になるため、営業売上が低調だった場合給料の手取りが少なくなる。
タクシー運転手の歩率は売り上げに対し50%~60%が平均的
タクシー運転手の給料の仕組は、ボーナスをプールするしないの差はあれど、実質的には売り上げに対する歩合制が採用されています。
歩率に関しては、税抜きの売り上げに対し50%~60%が平均的。
歩率に関しては会社ごとや売り上げ金額によって変化します。
例えば、月間売り上げが50万未満なら50%50万を上回ると58%60万以上65万以下は59%65万以上70万以下は60%のように売上金額が上がるごとに歩率も徐々に上がっていくというのが一般的になっています。
ちなみに50万で50%51万以上で58%と急に歩率が上がるラインをタクシー業界では「足きり」といいます。
足切りが設定されている会社では足切り額をクリアできないと大きく歩率が下がってしまいます。(足切りを設定していない会社もあります)
足切り=ノルマととらえてもらってかまいません。
ただし、無理な足切り額を設定している会社はほぼないといって良いでしょう。
普通に営業をしていれば、楽にクリアできる金額に設定されていると思ってもらって良いです。
足切りを設定する意味は、会社がタクシー運転手に対するのさぼり防止対策です。
また、売上が上がれば歩率も上がると言いましたが、青天井に80%、90%ともらえるわけではありません。
上限が決められていて62%だったり65%だったり上限は会社によってまちまちです。
私の会社では月間120万円以上の売り上げで62%が最高歩合になっています。
東京地域の場合、足切り(会社が設定している場合)を超えれば売り上げ金額に対して60%が収入になるのが一般的。
月間税抜き80万を売り上げた場合、48万が収入になるという計算になります。(AB型賃金の場合一定の金額がプールされ会社の指定した月にプールされた金額がボーナスとして支給されます)
タクシー運転手の1日の売り上げはいくらくらい?
一般的にはタクシー運転手の1日の売り上げは隔日勤務で4万~6万円と言われています。
あくまでも、地方からタクシー需要の多い都市部を含めての平均になるので一概には言えません。
こと、タクシーが稼ぎやすいと言われている東京での私の肌感覚でいえば、隔日勤務で6万5千円、昼日勤で3万円、夜日勤で4万円というのが平均位ではと感じています。
もちろん平均値になるので、中には5万円を切る方もいますし、毎回10万以上の売り上げを上げる方もいます。
しかし、隔日勤務で5万円を割る方というのはそう多くはありません。
東京地域では、去年運賃の値上げが実行され、またコロナ禍もひと段落し、かなりタクシーで稼ぎやすい状況が継続しています。
売り上げをうまく上げられない日や、体調不良のときはどうなる?
タクシー運転手の給料は売り上げに対する歩合で決定されるため、お客さんをお乗せしないと当然給料は減ってしまいます。
意図しない乗客トラブルや機械トラブル、体調不良などタクシー運転手を続けていれば誰しも経験することです。
そんな時は、目先の売り上げを追いかけるより無理しないようにすることが大切。
焦ったり、無理することで事故や違反を起こしてしまっては、タクシー運転手を続けていく道を断たれることにつながりかねません。
もちろん長期的な休業を余儀なくされる体調不良などの場合、タクシー運転手も会社員になるので、社会保険や労災からの補償を受けられます。(ご自分の売り上げ実績に応じた標準報酬月額が算出されます。)
こと、タクシーをやり始めのとき安定した給料を得れるか不安に思いますが、まずは安定した売り上げを上げるために「どのように行動するか?」試行錯誤することがタクシー運転手初心者の方にとって大切です。
右も左もわからず不安になるかと思いますが、研修が充実しているタクシー会社も多く、平均的な売り上げを上げるスキルは、初めての方でもそう難しくないので安心してください。
タクシー運転手として安定した売り上げをあげるためのポイント
タクシー運転手として安定した売り上げを上げる、最低限の条件を以下に3つあげます。
- 稼げる地域でタクシー運転手になる
- 効率的な立ち回りをする
- 稼ぎやすい会社に勤める
稼げる地域でタクシー運転手になる
タクシー運転手として安定的な売上をあげるには、まずは当たり前のことですがタクシーの稼ぎやすい地域でタクシー運転手になることが大切です。
タクシーの売り上げに関しては、地方と大都市では差が広がる一方で「タクシー運転手=低賃金」という構図が生まれるのも多くの地方では厳しい現状があるからです。
例えば、東京近郊に住んでいる方なら、地元でタクシーをやるより稼ぎやすい東京のタクシー会社に勤める方が収入面では有利になります。
東京のタクシー会社は、23区や武蔵野、三鷹の外れにも多く、近県から通勤することも十分可能です。
効率的な立ち回りをする
テクニック的なことになりますが、効率的な立ち回り=お客さんをお乗せしていない無駄な時間を減らすように心がけることが大事です。
同じ地域同じ会社でも、タクシー運転手の売り上げに個人差があるのは立ち回り方が大きく影響しています。
「この時間にどこにいけばお客さんをお乗せ出来るのか?長距離のお客さんはどこにいるのか?」など奥深い部分がありますが、まずはエリアの好き嫌いを失くすということが大切。
お客さんを降ろしたあと、またすぐお乗せできればおのずと営業効率も良くなってきます。
タクシーをやりはじめの時は、なるべく営業エリアの引き出しを増やせるよう、まずは地図とにらめっこして道を覚えるようにしましょう。
稼ぎやすい会社に勤める
給料に直結する歩率の高いタクシー会社を探せれば理想的ですが、歩率の高い会社=稼ぎやすい会社とも限りません。
お客さんをお乗せしやすいタクシー会社を選ぶことが先決です。
具体的に言うなら、ここ最近の傾向としてタクシーアプリの普及が我々運転手の売り上げに直結してきました。
特にCMでも露出の高い「タクシーGO」と提携しているタクシー会社を選べば、タクシー運転手になりたての方に強力な味方となってくれることでしょう。
経験を積まければ得られない知識がなくても、お客さんのほうからタクシーを呼びよせてくれるからです。
特に東京地域なら、お客さんからの指名も多い「日本交通や日本交通のグループ会社」を選ぶことがタクシー初心者の方におすすめです。
タクシー紹介サイトドライバーズワークに登録すれば、稼ぎやすいタクシー会社のみを紹介してもらえますよ。
まとめ
タクシー運転手の賃金制度はA型賃金(固定給+歩合)、B型賃金(完全歩合制)、AB型賃金(固定給+歩合+ボーナス)の3種類があります。ボーナスはAB型のみが支給されますが、実質的にB型と年間収入は変わりません。
タクシー運転手の歩率は売り上げに対して50%~60%が平均で、売り上げ金額に応じて歩率が変わります。1日の売り上げは地域や勤務形態により異なりますが、東京では隔日勤務で約6.5万円、昼日勤で3万円、夜日勤で4万円が平均的とかなり稼ぎやすい状況と感じています。
タクシー運転手の給料は、「歩合制という給料体系から安定しないのでは?」と不安に思われがちですが、営業スタイルさえ固まってくれば以外と安定するものです。
もし、あなたがこれからタクシー運転手を志したいなら稼ぎやすいタクシー会社を選ぶことがとても重要です。
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きっとあなたにあった稼ぎやすいタクシー会社が見つかるはずですよ。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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