タクシー運転手の仕事をしていると、酔っぱらいのお客様とは必ず接します。
酔っぱらいのお客様をお乗せして困ったことはありませんか?
そんな酔っぱらいのお客様の対応策を考えていきましょう。
東京でタクシー運転手をして12年になりますmasakiです。
まずどんなことが困るのかを洗い出し、その対応策を見つけることでその後の営業に対する損害を最小限に抑えることが出来ます。
酔っぱらいのお客様の対応策を身に付けておけば、必ず今後の営業にプラスになりますよ。
ではさっそくみていきましょう。
酔っぱらいのお客様をお乗せしたときの対応策
酔っぱらいのお客様から乗車の申込があった場合の注意点が2点あります。
それは
- 寝込まれてしまう。
- 吐かれてしまう。
この2点の対策を行っていきましょう。
寝込まれてしまったり、車内に吐かれてしまってはそのあとの営業に多大な損害をおよぼします。
特に金曜の夜などの稼ぎ時に車内に吐かれてしまっては、泣くに泣けません。
もし吐かれてしまっても、われわれからクリーニング代を頂くことは禁じられています。
「寝込まれてしまった時」「吐かれそうな時」の対応策を練っておきましょう。
行先を聞いて住所をナビ入力
乗ってこられた時点で結構酔っていて寝込んでしまいそうで「やばそうだな」と感じた時は、あらかじめお送り先の住所を聞いてナビ入力しておきましょう。
本当にこれは重要です。
いざ道案内をしてもらおうとしても、酔っぱらっている人はなかなか起きません。
仮に起きたとしても、寝ぼけている場合も多く、間違った指示をして後で「言った、言ってない」のトラブルになりかねません。
後で寝込んでしまいそうな酔っぱらいのお客様をお乗せした場合には、必ず目的地の住所をナビ入力しておきましょう。
振動を与えないようにていねいな運転
ていねいな運転を心がける理由は、振動を与えて吐かれないようにするためです。
乗車されたときは気分が高揚していて元気でも、車内でじっとしていると気持ちが悪くなってしまう方も多いです。
ていねいな運転を心がけるとともに、吐かれそうになったらいつでも車を止められるように多車線の道路なら左側を走ることも心がけてください。
そしてお客様の様子を観察しながら変化があったら、「気持ち悪くないですか?」と声かけしましょう。
また常時エチケット袋(コンビニの袋でOK)を常備して、「あやしいな」と思ったら最初にお客様に袋を渡しておきましょう。
後々損害を被らない為にも、吐きそうなお客様をお乗せしたときには対策が必要です。
言動に注意しよう
酔っぱらっているお客様との会話では、言動に注意しましょう。
会話中の些細な一言が後で大きな問題となってしまう事もあるのです。
お客様はお酒を飲んでいるので気分がよく、車内の会話も盛り上がることがあるでしょう。
しかし些細な一言がお客様の逆鱗に触れてしまう事もあるのです。
酔っていて感情が高まっている分、怒りも増幅してしまいます。
酔っているお客様との会話は細心の注意が必要なのです。
寝込まれてしまったら
お客様を早く起こして目的地に届け、次の営業に向かわなければいけません。
効率的なお客様を起こす術を身に付けることも、できるタクシー運転手のスキルの一つです。
仮に起こしている間メーターを入れっぱなしにしていても、次の営業に素早く向かった方が何倍も効率がよいです。
お客様を起こすのにもたもたしていては、大事な営収に損害を及ぼすのです。
クーラーの温度を下げ、窓を開け起こす
お客さまを心地の良い眠りからさまさせないといけません。
私たちタクシー乗務員はお客様の体を触って起こすことは禁じられているため、気温の変化で眠りからさまさせることも効果的な方法です。
特に女性に触れてしまう事はNGですが、正直男性なら軽くゆすってしまったりしちゃいますが。
寒い季節なら窓を全開に明け、暑い季節なら窓を閉め切りさらにクーラーをガンガン効かせてみてください。
冷気を送ることで、普通の呼びかけで起きる方もいます。
大きな声で呼びかけてみる
冷気を送って呼びかけても起きないようなら、徐々に声を大きくして呼びかけてみましょう。
運転席から降りて、お客様の耳元で話しかけるのも効果的です。
ただしいきなり大きな声で怒鳴りつけたりはしないように。
先ほどのお客さまとの会話のところでも触れましたが、酔っているので普通のお客様より、細心の注意が必要です。
感情的になって怒ってしまうかもしれません。
大きな声で呼びかけるにしても、ていねいな言葉づかいで起きてもらうようにお願いすると言う意識が重要です。
お客様にこちらが困っているという状況を、察してもらうのです。
そして起きて頂いたら「気持ちよく休まれているのに起こしてしまって申し訳ございません」と一言添えると、起きてからわれわれに怒りを抱くようなことは無くなるでしょう。
大声で起こさなければならないようなシュチエーションもありますが、そんなときもお客様に気遣いしながら起こすのが重要です。
最悪起きなかったら警察を呼ぶ
目的地に到着した、並びにお客様が道案内できないという状況で寝込んでしまって、最大限起こす努力をしたのに起きない。
そんなときは110番して警察官に起こしてもらうしかありません。
110番をするとまずは「事件ですか?事故ですか?」と必ず聞かれます。
私はタクシー乗務員でお客様が酔って寝てしまって起きないという事を明確に伝えましょう。
また現在地の住所を伝えなければいけません。
あらかじめナビや近くの電柱などで明確な住所を調べておき、近くの特徴的な建物や交差点の名前を明確に伝えましょう。
電話してから警察官来るまで時間がかかりますが、その時の料金メーターはどうしたらいいのでしょう?
会社や個人の見解によっても変わるかもしれませんが、基本メーターは入れっぱなしで構わないと思います。
大事な営業時間中なのですから。
一度所属している会社に確認してみることをおすすめします。
後は警察官にお客様を起こしてもらって、目的地の場合は清算、目的地の途中の場合は再度行き先の確認をします。
そもそも断れる場合もある
基本お客様から乗車の申し込みがあった場合にはわれわれ乗務員が申込を断ることが出来ません。
しかし例外として乗車を断れる場合もあるのです。
「第十三条 一般旅客自動車運送事業者(一般貸切旅客自動車運送事業者を除く。次条において同じ)は、次の場合を除いては、運送の引受けを拒絶してはならない。
https://www.excite.co.jp/シェアしたくなる法律相談所より
一 当該運送の申込みが第十一条第一項の規定により認可を受けた運送約款(標準運送約款と同一の運送約款を定めているときは、当該運送約款)によらないものであるとき。
二 当該運送に適する設備がないとき。
三 当該運送に関し申込者から特別の負担を求められたとき。
四 当該運送が法令の規定又は公の秩序若しくは善良の風俗に反するものであるとき。
五 天災その他やむを得ない事由による運送上の支障があるとき。
六 前各号に掲げる場合のほか、国土交通省令で定める正当な事由があるとき。」
したがって、上記6ケースにあてはまらない場合に客の乗車を拒否することは、道路運送法違反。同98条6項により、100万円以下の罰金が課せられます。
では、この6つのケースに該当する行為とは具体的にどのようなものなのでしょうか?主な事例は以下のとおりです。
1.安全のために乗務員から指示されたことに従わない
2.定員オーバー
3.積雪にもかかわらずチェーンがない
4.乗車時に暴力や威嚇行為があった
5.道路の損壊、洪水などにより走行が困難
6.泥酔または不潔な格好をし、他の乗客に迷惑をかける可能性がある
付き添いの方などから乗車を申し込まれ「明らかにやばい」と言う場合には毅然とお断りすることも可能です。
6.泥酔または不潔な格好をし、他の乗客に迷惑をかける可能性がある
泥酔客はこれに該当します。
ただし「明らかにやばい」時以外はお乗せしなければいけないのですが、その時はその後の営業に支障がないように今まで述べたような最大限の対応策をもってのぞみましょう。
まとめ
タクシー運転手の仕事をやっていくうえで、酔っぱらいのお客様と接することは不可欠です
特に気を付けるは「寝込まれてしまう。吐かれてしまう。」この二点です。
寝込まれてしまったり、吐かれてしまったりされては後々の営業に差し支えてしまうからです。
しっかり対策を取っておけば、被る損害を最小限のものに抑えることができます。
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