- これからタクシーの仕事についてみたい
- すぐにではないけどタクシーの仕事に興味がある
- 今やっている仕事がつらくて他業種への転職を考えている
そんなことを考えている方に、おすすめの記事になっています。
タクシー業界に転職してみたいと思っても、未経験の業界ですしご自分に務まるかどうか心配になってくると思います。
14年前の私も、皆さんと同じく未経験でタクシー業界に転職し不安でいっぱいでした。
けれど、今ではなんとか安定した収入とストレスから解放された日々を過ごしています。
良いこともたくさんあるタクシー業界ですが、「本当に地獄のようにきつかった」と思えることもありました。
今回は、タクシー未経験から14年タクシーをやってきた体験談をもとにタクシーの仕事について本音で語っていきます。
タクシー業界に興味がある方向は、ぜひ参考にしてもらえたら幸いです。
私の、タクシーの業務エリアは東京23区武蔵野・三鷹エリア。35歳でタクシー業界に転職する前は、20代はパチンコ業界に10年、30歳を超えてからは夜の水商売や、ワンボックス車での深夜の集荷業務を派遣社員で行っていました
タクシー運転手を14年続けてきて地獄だと感じた体験談3つ
以下の3つが、私がタクシー運転手の仕事を14年続けてきて、地獄と感じる最もきつかった瞬間です。
- 社会情勢の影響で売り上げが下がったとき
- 事故を起こしてしまったとき
- タクシー運転手を始めたばかりで不安を抱えていた時
社会情勢の影響で売り上げが下がったとき
タクシー業界に足を踏み入れたときは「リーマンショック」、そのあと起こった「東北大震災」、記憶に新しい「コロナ禍」と14年のタクシー生活のなかで3つの危機に直面してきました。
ご存じのようにタクシー運転手の給料は、売り上げに対する歩合制となっています。
街からお客さんが消えるということは、給料が減ってしまいます。
特に急激な売り上げの落ち込みを感じたのは、東北大震災後、コロナ禍の初回の緊急事態宣言発令後です。
私の場合、稼働エリアも東京また大手タクシー会社という恵まれた環境にあり、危機的状況でも無線営業の活用などで何とか乗り越えられました。
それでも、日単位での売り上げの落ち込みを見ると東北大震災時は50%、コロナ禍では月単位で80%程度に落ち込む月もあり、どれだけ長引くのか不安になったことは記憶に新しいです。
ただ、コロナでの出控えもひと段落つき、今では昨年行われた値上げの影響もあり過去最高の給料を得られています。
もちろんこれからも、「リーマンショック」「東北大震災」「コロナ禍」以上の社会的な危機が起こる確率は0ではありません。
しかし、これら3つの危機を乗り越えられたのである程度楽観視しています。
事故を起こしてしまったとき
2つめは、事故を起こしてしまったときです。
どんな事故かと言えば、走ってきた自転車を見落としてしまい、後部ドアとの衝突でけがをさせてしまったんです。
非は完全に私にあり、最悪人身事故になりかけました。
結果は相手の方(60代女性)に深く謝罪し、けがの状況も打撲のみだったので、物損あつかいとなりました。
相手の方のけがの状況が軽いことがなによりでしたが、結果次第では免停もまのがれません。
免停が積み重なることで、最悪職を失いかねないという恐怖感を強く感じました。
今でも常に事故や違反を起こさないようにするとともに、もし事故を起こしてしまったときは職を追われるかもという恐怖心と常に戦っています。
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タクシー運転手を始めたばかりで不安を抱えていた時
3つ目に地獄と感じたことは、タクシー運転手としてはじめたばかりの頃です。右も左もわからず、初めて運転席に座ったときの緊張感は今でも忘れられません。
「果たして自分にできるのか?」と、心の中で疑問符がつきまとう日々でした。だって、タクシーの運転手はただハンドルを握っているだけではお金がもらえない。お客さんのニーズに合わせたサービスを提供し、的確なルートを選び抜くスキルが必要だからです。
初めてお客さんを乗せたときは、もう緊張のあまり胸が張り裂けるようでした。でも、そのお客さんから「ありがとう」と言われた瞬間、自信につながりました。
しかし、道に迷ったり、間違ったルートを選んでしまったときは、プレッシャーが募り、焦りが生まれました。そのような失敗から学び、次に同じ過ちを繰り返さないように努力しました。
あの時の体験が、今では貴重な経験となっています。
ベテラン運転手と言われるようになった今の私があるのも、新人のときの地獄のような毎日があったからだと改めて感じています。
その他タクシーの仕事をしていてきついと思う瞬間
タクシーの仕事をしていて、心底地獄とも言えるようなこと以外にも、毎日の業務の中でたびたびきつい場面に出くわします。
具体的には以下のような場面です。
- 泥酔客に寝込まれる
- 泥酔者に吐かれる
- お客さんから急かされる
- 実車中渋滞に巻き込まれる
- 眠気と戦う
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どれもタクシー運転手をしていく上では必ず通る道なので、これからタクシー運転手を初めていこうと思う方は覚悟していかなければなりません。
しかし、長い目で見れば、単発的なことだったり仕事に慣れていけば対処方法を見つけていけることばかりです。
もちろん、どんな仕事でも合う、合わないはあります。
とりわけタクシーの仕事に関しては、ネガティブなイメージが付きまとうためやり始めるまではすごく心配になるのはわかります。
けれど、「そんなに悪いものでもないよ」というのが、14年間タクシーの仕事に携わってきた私が正直に思う感想です。
タクシー運転手になるにはどんな心構えが必要なのか
いままでタクシー運転手として働いていく上で、マイナスの部分をみてきました。
では、タクシー運転手を初めて行く上でどのような心構えが必要なのか。
地理の知識や運転技術など技術的なことばかりクローズアップされがちですが、以下の3つが最も大事だと感じています。
- 物事をひきずらない
- 状況を判断する
- 素直に対応する
物事をひきずらない
タクシー運転手にとって、物事を引きずらないことは大切です。
一日にお乗せするお客さんは、多い日で50人以上に上ります。
なかには、理不尽なことを言うお客さんや支離滅裂なことを言う酔っ払いもお乗せするかもしれません。
いちいち気にしていたら、それこそ毎日が地獄になってしまいます。
仮に嫌な場面に出くわすとしても、時間にすればせいぜい30分くらい。
嫌な思いをしたお客さんに、また出くわすことはそうそうありません。
物事を割り切って、ひきずらないようにすることがストレスをためないために重要です。
状況を判断する
タクシー運転手には状況判断力も求められます。
タクシーの仕事は、路上に出れば自分の判断で全て行動しないといけないからです。
効率的にお客さんをお乗せする場面だけではなく、疲れを感じたら無理せず仮眠・休憩するのも大事。
タクシー運転手になるにはてきぱき行動し、時には自制するという状況判断力も必要になってきます。
素直に対応する
タクシー運転手には、素直に対応できる能力も必要です。
ちょっとした言葉の掛け違いで、乗客トラブルになってしまうことがよくあります。
もちろん、お客さんの全てのリクエストを受け入れろと言っているのではありません。
無理な指示に対しては毅然と断ることも大切です。
ただし、そんなときでも言葉づかいなどで素直さを演出していれば大事にならずに済みます。
タクシー業務中に感じる多くのストレスが乗客に対するものになります。
高級ホテル並みの徹底した接客をしろと言っているのではありません。
素直な接客をすることで、日々かかるストレスを減らすことができるでしょう。
タクシー運転手に転職して良かったこと
もちろんタクシーの仕事は悪いことばかりではありません。
仕事内容も楽しいですし、タクシー運転手になって本当によかったなあと思っています。
長距離のお客さんをお乗せしたとき、お客さんからチップをもらったとき、お客さんに感謝されたとき…などなど細かいことを挙げればきりがありません。
特に私が感じるタクシー運転手になって、良かったと思える点は以下の3つ。
- 高収入を得られる
- プライベートの時間を充実させられる
- 会社内の人間関係に悩ませられない
高収入を得られる
全ての地域のタクシーに当てはまるわけではありませんが、私の営業する東京地域なら隔日勤務で手取り50万以上稼ぐこともできます。
2022年暮れに運賃の値上げもあり、以前とくらべかなり稼ぎやすい状況が続いています。
仮にゆったりやったとしても、手取り40万円稼ぐのもそんなに難しいことではありません。
もちろんタクシーの仕事の給料は青天井で上がるわけではありません。
ナイト(夜勤)でがんばったとしてもせいぜい年収1,000万がいいところでしょう。
ただし、40代・50代で経験、学歴関係なくここまでの給料を得れる仕事はなかなかないと思っています。
安定して高い水準の給料を得れている点が、タクシー運転手に転職してもっともよかった点です。
プライベートの時間を充実させられる
タクシーの一般的な働き方の隔日勤務で働くなら、一か月の出勤日数は12~13日。
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一般の仕事の働き方と大きく異なるため、プライベートの時間を充実させられます。
もちろん、1回の乗務では通勤時間もふくめるとほぼ1日拘束されるため人によって合うあわないはあります。
個人的には、タクシーの仕事は重労働ではないので以前の仕事と比べ働き方自体はずいぶん楽に感じています。
プライベートの時間で「趣味の時間を充実させたい、家族サービスを充実させたい」そんな方にもタクシーの仕事はおすすめできます。
会社内の人間関係に悩ませられない
タクシーの仕事は、上司との軋轢や得意先の人間関係に悩ませられることがありません。
タクシーの仕事は、基本的なルールさえ守っていればいちいち会社から指示されることはありません。
もちろん、タクシー運転手同士でコミュニケーションをとることや、会社のクラブ活動などに参加することも個人の自由です。
あなたが、現在会社内の人間関係に悩んでいて病みそうになっているくらいなら、いっそうタクシー運転手になってみてはいかがでしょう。
まとめ
私がタクシー運転手をしてきて、地獄のようにきつかったことを3つあげてきました。
- 社会情勢の影響で売り上げが下がったとき
- 事故を起こしてしまったとき
- タクシー運転手を始めたばかりで不安を抱えていた時
長引いたコロナ禍がひと段落した今、タクシー業界はかなり稼ぎやすい状態になっているというのが正直な感想です。
たしかに、地理などの専門知識が要求されるため、タクシー運転手になり始めのころは覚えなければいけないこともたくさんあります。
けれど、今のタクシーにはカーナビも搭載されておりおおまかな地理さえ詰め込んでおけば新人さんでもなんとか仕事になります。
(もちろん日々の勉強は必要ですよ)
一流の売り上げをあげるのに何年もかかるわけではありません。
場合によっては、初月から高い売り上げをあげてくる新人さんもいます。
ただしこれだけは言えることとして、タクシー運転手を志すなら「事故・違反には絶対おこさない」という覚悟を持って臨んでもらいたいということ。
「免許」がなくなってはタクシーの仕事を追われてしまうからです。
小さな事故、小さな違反でも絶対おこさないという覚悟が必要です。
基本的なことですが、事故・違反さえきおつけておけば、タクシー運転手の仕事はかなり魅力的な仕事だと思っています。
「若くないし転職先がみつからない」「仕事先での人間関係にうんざり」そんな風に感じている方は、タクシー運転手も捨てたもんじゃありませんよ。
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